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プレシャスな作品、頂きました!

 毎日暑い中、お疲れ様です。この時期、更にゲッソリし、不健康そうに見えるmengeleです。あまり作品を作ろうという意欲がない中、綺羅さんから投稿作品を頂きました!(嬉)作品の標的はボウケンピンク/西堀さくらです。

 プレシャスといいますと今までは過去の遺産に目を向けられていましたが、過去だけではなく、未来に目を向けられているのも面白いです。
 ストーリー性や構成も確りなされていて、さくらの仕草や口調も丁寧に書かれており、物言わずオブジェという動きがない中での気持ちや心の動き、心理描写は絶妙だと感じました。そして何より最期に訪れるさくらの生まれ変わった心の叫びは圧巻です!
 また綺羅さんのさくらに対する溢れる愛が感じられます。そしてただ好きだからと勢いで仕上げるのではなく、三人称の描写でとても上手に書かれており、重厚感があり、深みのある作品でした。もはやSSと呼ぶモノではなく、小説の域に達している作品です。
(私の感想など、どうでもいいですね……(汗))
 このように書いてもらえたピンクちゃんはとても幸せだと思います^^この場をお借りしまして綺羅さん、プレシャスな作品を有難うございます。

 では皆様。ボウケンピンクをこよなく愛する綺羅様の深き冒険作品。最高のお宝を篤とご堪能下さい!


TaskEX「肉のオブジェ」


「わたしがショーに…ですか?」
投げかけられた提案を、西堀さくらは怪訝な表情で聞き返した。
『そう。美しいピンクちゃんに是非、新技術のデモンストレーションを行って欲しいっていう熱烈なオファーが入っていてね』
スクリーンに大写しになったCGモデルが満面の笑みを浮かべた表情を形作っている。
ミーティングの後、話があるからサロンに残って欲しい―そうボイスから言われて残留した結果がこれだ。
「残念ですが、ミッションの準備に追われて参加することは見合わせるよりほかにないのが現状です。申し訳ありませんが、またの機会ということで参加は見合わせて頂きます」
言葉は丁寧だが、その口調には有無を言わさぬ凄味が滲んでいる
途端にCGモデルの両眉が下がり、いかにも困ったという表情になる。
それを見ているだけでも不愉快だったが、さくらは冷静な態度を保とうと努力した。
『だめかな、ピンクちゃん? スポンサー獲得の人脈づくりも立派な任務だと思うんだけどね』
画面の向こうでは、どんな人物がどんな顔でこんなことを口にしているのだろう。
そう思いながら、さくらは言葉を繋いだ。
「お言葉ですが、プレシャス回収と言う任務に従事することに異存はありません。それがボウケンジャーの存在理由ですから」
『だったら…』
「ですが、それとこれとは話が別です。わたしは客寄せのパンダではありません。そうしたショーで見世物になることは不本意です。納得できません」
そう言うとさくらは手前に置かれた書類を手に取り角を揃え、腰掛けていた椅子から立ち上がった。
「これ以上、お話しすることがないのなら、わたしはこれで失礼します」
踵を返して立ち去ろうとするさくらの背中に言葉が投げかけられる。
『そう…ピンクちゃんはボウケンジャーがなくなってもいいんだね』
何気なく呟いた、と言う風を装ったその言葉にさくらは歩きかけた脚を止め、その場でスクリーンに振り返った。
身体の動きに同調して後ろに纏めた長い黒髪がしなやかに揺れた。
『先方はこれをきっかけに良好で継続的な関係性を構築していきたいと仰ってくれているんだよ…これを逃がす手はないとボイスは思うけどね。今はあれが嫌だ、これは嫌だと選り好みできる状態でないことくらい、ピンクちゃんなら分かってるよね? サブチーフなんだから』
向き直ったさくらに、ボイスは駄目押しの言葉を放った。

発端は半年前のガジャの侵攻に対するサージェス極東支部の下した結論だった。

プレシャスバンクの破壊による、多数のプレシャスの破壊。
この1件でサージェスが負ったダメージは測り知れず、プレシャスの保護を第一に掲げる財団の創設理念に逆行する手段を取ったことで、プレシャス回収率№1の実績を盾に権勢を誇った極東支部は完全にその優位性を失っていた。
殊にやり玉に挙がったのはほかでもない、実働部隊であるボウケンジャーだった。
アクセルスーツやゴーゴービークルをはじめ、破格の予算を消費して稼働する轟轟戦隊の存在理由に財団内からも疑問の声が噴出し、予算は年々削減の一途を辿っていた。
「そんな話を今持ち出すなんて卑怯です!」
搦め手で無茶な要望を押しとおそうとする上司に反発して、つい声が大きくなる。
鼻筋の通った端正な顔立ちが怒りに染まっている。つまり、さくらに予算獲得のための人身御供となることを要求しているのだ。この、“トンガリやろう”は。
『なにも、すぐに決断しろとはボイスも言わないよ。とりあえず、話だけでもどうかな? オファーしてきた相手の連絡先は君のアクセルラーに送信しておいたから。会って話をして、それから判断するんでも悪くはないと思うよ』
それだけ言うと、通信の接続が切れ画面がブラックアウトする。
すぐにコンパスを模したサージェスのロゴマークが無限に繰り返されるスクリーンセーバへ移行した画面を、さくらはしばらく無言で見つめていた。やがて、さくらは大きなため息の後に、重い口を開いた。

「……わかりました。お引き受けします。ですが…こういうことは今回だけにして下さい」


§


指定された場所はミュージアムを一望できるテラスのカフェだった。
いつもさくらが考え事をしたい時に立ち寄る場所だ。
そんなところで不本意な交渉事を進めるのは、なんだか聖域を犯された様な気分だった。
「…そろそろですね」
腕の時計を見やる。約束の時間はもう間もなくだった。さくらは一人、壁際の席で相席になる相手を待っている。
タイトスカートから伸びる両脚を綺麗に揃え、背筋を伸ばして折り目正しく椅子へ座っている。
手持無沙汰でカップを口へ運びやや温くなったコーヒーをゆっくりと飲み干しながら、さくらがなんとなく展覧ブースの賑わいを見ていると、待ち人が現れた。
「いやー、お待たせしました」
現れたのはがたいの良い男性で、スーツがぴちぴちに張り詰めていて筋肉質の身体が窺える。
年齢はさくらよりも上で、30代半ばと言ったところだ。単髪に髭面と言うおよそビジネスにふさわしくない容貌で、男は遅刻を詫びた。さくらは男の来訪に立ち上がり、彼を迎えた。
「はじめまして。泉さん、ですね」
「前の仕事が思ったより長引いたもので、こんなぎりぎりになってしまいました。申し訳ない」
しきりに恐縮の言葉を述べるが、その体格のせいだろうか、口にする言葉ほど誠意は伝わってこない。
「いいえ、そんなには待っていませんので。時間に遅れたわけでもありませんし」
感情を込めず、さくらは謝罪の言葉を遮った。
「いやいや、本当に申し訳ない。わたくし、ヴィレッジグループ理事の泉浩です」
懐から、名刺を取り出し男―泉は名乗った。
「西堀さくらです」
さくらもまた手早く名刺を取り出し、名刺交換を終える。市井に散逸する個人所有のプレシャスに係る譲渡交渉を主に手掛けるさくらにとって、外部折衝はそう珍しい任務ではない。
「それでは、早速ですが例のオファーについてお話ししたいと思います…掛けても良いですか?」
「えぇ、どうぞ」
さくらの許可に泉はその席に窮屈そうに腰かけた。次いで、さくらも腰を落とす。
「で、どうです? 考えて頂けましたか?」
テーブルを挟んで差し向かいに座って開口一番話題を切り出す泉に、さくらは率直な疑問を投げかけた
「ナノテクノロジーによる長期スパンの生体保存技術…ですね。資料は読ませていただきました。大変、興味深い内容ですが、それとわたしたちの活動がどうリンクするのか、正直理解に苦しみます」
「その反応は、あまり乗り気でない感じですかね」
肩を竦めて見せる泉に構わず、さくらは続けた。
「えぇ、あなた方がわたしにどういう役割を求めているのか、頂いた資料を呼んだだけでは掴みあぐねているというのが正直な感想です」
にべもない表情で言い切るさくらの瞳を覗き込む様に、泉はある問いかけを口にした。

「さくらさん、プレシャスとはなんですか?」


「現代の科学水準をはるかに超える秘宝全般の総称です。対象は多岐に渡り、年代や形態も様々であるため、当財団では主にハザードレベルという指標を設けて、現文明への危険度を基本として分類を行っています」
広報パンフレットさながらに、さくらはすらすらと相手の疑問に答えて見せる。
「流石ですね。ですが、それは結局のところ、あなた方サージェスの価値基準で定めた指標に過ぎないのではありませんか?」
「ハザードレベルの算出方法に疑問があるのですか」
相手の物言いにさくらは短く返答を返した
「いいえ。そうは言っていません。ですが、主にプレシャスは過去の遺物を指して使われるというのが一般的です。そうではないですか?」
泉の言葉にさくらは鷹揚に頷いて見せる。
「えぇ。神話にカムフラージュされて現代に密かに受け継がれた秘宝というのは、主に過去の時間に生を受けたものが大半です。当財団の真なる目的はそれを安全に保護し、かつ人類の繁栄に役立てることにあります」
「ご高説をどうも。大変結構な理念だとは思いますが、あなた方の目は無意識に過去ばかりに向いているのではありませんか。古きを訪ね、新しきを知るは重要なことですが、なぜ今に目を向けないのでしょう?」
「今に目を向ける…」
相手の言わんとする所を掴みあぐね、さくらは言葉を反芻した。
「はい。科学は常に日進月歩です。常に人類を豊かに、次なるステージへ進めようと考えているのは何もサージェス財団だけではありません。我々も同じです。そうした中で生まれていく新技術は現代のプレシャスと呼べるのではありませんか?」
「…それは、サージェスは過去のプレシャスだけを保護するのではなく、現代の新技術も視野に入れた保護を検討すべきということですか?」
「ご明察です。流石はさくらさん。話が早いですね。そのとおりです。我々は確かに高い技術を持っています…ですが、それを守る力がない。この世界で新たな発見が悪意の第3者によって持ち去られ、悲劇を生むことは歴史が証明しています。それらに抗うには、我々と志を同じくし、正しい力を振るうパートナーが必要なんです」
熱っぽく語る泉の言葉にさくらは次第に心を動かされ、いつしか話に聞き入っていた。
まるでタイプは違うのに、人を巻き込むその姿勢はかつての明石を想わせた。
「わたしたちボウケンジャーがその担い手になれる、と泉さんはそう考えているんですね?」
「えぇ。わたしたちは安全な環境下で探求に勤しみ、あなた方は糧を得て、新たな冒険を掴む。Winwinの理想的な関係性と言えるのではないですか?」
泉の言葉は確かな光明を持っている様にさくらには思えた。
「Winwinの関係…ですか」
これまで感じていたわだかまりがすっと消えていく様な、そんな感覚だった。
「さくらさんに、それをお手伝いして頂きたいんです。このショーはその第一歩です」


§


退屈は深刻な病だ。
殊にうなるほど金を抱えた者たちにとって、有限な人生の時間をいかに有意義に過ごすかというのは永遠の課題であると言っていい。なにしろ、通り一遍の贅沢では彼らを満足させることはできないからだ。
だからこそ―――金を必要とする企業にとって、彼らの底なしの欲望をどう満足させるかは各々趣向を凝らした工夫が必要となる。なにしろ、彼らのお眼鏡に叶えば莫大な利益が転がり込むことは明白だからだ。

ステージ上に幾重ものスポットライトが重なり、シルクハットにタキシード姿の泉を照らし出している。
「本日はお忙しい中、ご足労頂き誠にありがとうございます―ヴィレッジを代表致しまして、泉浩より厚く御礼申し上げます」
シルクハットを手に、無駄のない所作で泉は会場に詰め掛けた観客たちへ頭を垂れた。
ショービジネスで鍛えた彼はこうしたパフォーマンスを最も得意としていた。
実の所、泉にとってヴィレッジは彼のショーパフォーマンスの演目を提供するいわばバックダンサーに過ぎない。
相手を手玉に取る話術などはお手の物。ステッキを華麗に振り回し、泉は高らかにショーの開始を宣言した。
「皆様、大変ながらくお待たせいたしました。これより、ヴィレッジによる新技術の実演をお目に掛けたいと思います。本日は、なんとあのサージェス財団様の格別のご厚意を賜りまして、デモンストレーターとしてこのお方をお呼びしています……」
優に一千人を収容できる巨大ホールを真っ黒に埋め尽くす各界の著名人たちが割れんばかりの拍手を泉へ送った。
その瞳はこれから始まるショーへの期待に膨らみ、誰もが泉の一語一句を聞き逃すまいと熱い視線を送っている。

「それでは、ご紹介いたしましょう。サージェス財団極東支部所属、轟轟戦隊ボウケンジャーサブチーフ、西堀さくら嬢―――!!」

泉がステッキを振りあげ、天を仰ぐと会場に複数設けられた巨大スクリーンに光が灯る。炭酸ガスが噴き出す馴染みの演出に見送られ、ステージの奥から現れた人影がゆっくりと観客席へ向けて歩き始める。
「皆様、盛大な拍手でお迎えください。西堀さくらさんです!」
カクテル光線が幾つも交錯する中を通過し、その姿が露わになる。
サージェスから提供された大画面で躍動するボウケンピンクのダイジェスト映像が流れる中、観客席からどよめきが巻き起こった。紹介されたゲスト-ボウケンピンクこと西堀さくらのダイジェスト映像が一斉に、現在のステージ上の彼女に切り替わる。
さくらを指差し、隣の席と話し込む声や本物が現れたことに歓喜する叫び声など、様々な反応が織り交ざった空気の震えを感じながら、さくらは泉が立つ場所で立ち止まる。
割れんばかりの拍手が観客席からスポットライトに照らし出されたさくらへ降り注いだ。
さくらは姿勢を正し、その場に静かに佇んでいる。やがて、拍手が鳴り止むと、観客席へ向けてゆっくりと頭を下げ、お辞儀を行う。大勢の前でも折り目正しく、生真面目な彼女の性分は変わらない。
「ただ今紹介にあずかりました、轟轟戦隊ボウケンジャーサブチーフ。コードネームボウケンピンクこと、西堀さくらです――本日は縁あってヴィレッジ様の実演ショーのデモンストレーションを担当させて頂く運びとなりました。皆さん、よろしくお願いいたします」
再び最敬礼で頭を下げ、自己紹介を終える。生真面目すぎるほどの堅苦しさだが、それが却って観客たちの興奮を煽った。
「それでは、早速実演ショーに移らせて…」
観客の反応を見ながら、程良い所で泉が口にしたその時だった。
突然、ステージの照明がぶっつりと途切れ、会場全体が暗闇に包まれる。
「な、なんだ…どうしたんだ!?」
うろたえる泉の声が拡声機を通じて放たれると、不安が会場中に伝染した。
ステージ上は闇に沈み、何も見えない。しばらくの間、ざわついていた会場の照明が再び唐突に回復した。

「グァ…ガァ……」

再び網膜に光を取り戻した観客たちの目に飛び込んできたのは異様な光景だった。
ステージに灰色の群れが突如として現れ、あっという間にさくらと泉を取り囲んでしまう。
どこからともなく現れた一団は、皆単眼を思わせる紋様に彩られた頭を持ち、まるで個体ごとの個性を持たないことを示す様に一様にくすんだ灰色をしていた。
「おやおや…これはとんだ闖入者さん達ですね…どなた様も随分野蛮な武器をお持ちの様だ」
取り囲まれた泉は傍らの女性へ視線をやる。さくらが泉を守る様に無言で前へ一歩出た。
知性を感じさせない外見どおりに粗く削り出した棍棒を手に迫ってくる彼ら―カースを正面から見据えた。
跳梁するカースの群れを睨みながら、さくらは肩のホルダーから素早くアクセルラーを抜き放った。

「ボウケンジャー! スタートアップ!!」

右腕にタービンを走らせ、白い光が当たりの景色を白く消し飛ばす。
圧縮されていたスーツが光の粒子となってさくらの全身を覆った。
不思議な感覚だった。間にあるはずの衣服は物凄い圧力で圧着され、両者の妨げにならない。
服を着ていないみたい、と菜月が感想を漏らしたことがある。そのとおりだとさくらも思った記憶があった。
マスクのバイザー越しに敵の姿を捉える。システムはすべて正常に動作していた。さくらの鍛え上げられた身体にぴったりと張り付いたスーツは電気信号で結合された神経フィードバックの影響で、まるで地肌の様に感じられた。

「深き冒険者っ! ボウケンピンク!!」

鮮やかなピンクのパーソナルカラーのスーツを纏い、さくらは名乗りを上げた。
それに合わせてヘッドライトが強く輝いた。
スーツを纏うと、パラレルエンジンの影響からか、肉体の充足感が高まり軽い興奮状態になる。
アクセルスーツを纏ったさくらは、文字通り超人だった。
さくらのしなやかな肉体が、まるで機械の様に洗練された動作を見せる。
「ハァっ!」
音に迫る速度で振りあげられた脚の一撃に顎下を掬われたカースが一瞬で元の土塊に戻る。
僅かな隙を縫ってホルスターから武器を取り出し、閃く刃を一閃させる。
さくらの作りだした弧の軌跡に巻き込まれたカースたちが仮初の命を刈り取られ断末魔をあげて崩れた。
感情を持たないはずのカースに動揺が生まれた。
波が引く様に距離が生まれる。ボウケンピンクの手には高水圧を撃ちだす専用の武装ハイドロシューターが握られている。拡大された視野から得られるカースたちとの位置関係を把握すると、その全てに照準を合わせ、トリガーを握る指と連動させる。
「シューターハリケーン!!」
背中を引き、身体を支える。強烈な水流の奔流が哀れな土人形たちを一掃した。
無駄のない、流れる水の様な流麗な動きに観客たちから感嘆の声が上がる。

「皆様、大変失礼いたしました。これはショーの演出です」
彼らはカースの残骸から検出した情報を基にガジャの使用していた石くれを再現した、いわばカースのレプリカと言える。ショーの前のちょっとしたアトラクション、そうさくらは事前の打ち合わせで聞かされていた。
事実、ライブでボウケンピンクの戦闘を目の当たりにした観客たちからは喝采の声が上がっていた。
「ありがとうございます。皆さん、これでさくらさん…いえ、ボウケンピンクの戦闘力がお分かり頂けたことかと存じます。百聞は一見にしかず。正に聞きしに勝る素晴らしい戦いを見せて頂いたボウケンピンクに拍手を――!!」
カース程度を退けることなど、ボウケンピンクとなったさくらには造作もないことだ。
自分の戦闘技術をこうしてパフォーマンスに変えることにさくら自身は気が進まなかったのだが。
称賛の拍手を浴びながら、さくらは複雑な思いを内面に抱え込んでいた。
「…さて、皆さん。さくらさんにわざわざボウケンピンクに変身して頂いたのは、その強さをお見せするためだけではありません。これから行う実演ショーのいわば、前戯なのです」
シルクハットの唾を掴み目深に被った格好で泉は口元を歪に緩めて、嗤った。
そして、間隙を突く様に天に向かってステッキを掲げる。円筒形の巨大な物体がボウケンピンクの頭上に降り注いだ。


§


「これは…!?」
予期せぬ出来事にボウケンピンク、さくらは動揺を隠せない。
突如として降り注いだ透明なカプセル状の物体に閉じ込められてしまっている。
打ち合わせはカースの襲撃を退ける所までで、その後は共にショーを観覧して二、三感想を述べるだけで終わりのはずだった。アクシデントを疑うが、泉に動揺したそぶりは見られない。まるでそれを予め知っていた様に動じることもなく、落ち着き払っている。それはこの展開が初めから想定されていたことを如実に物語っていた。
「泉さん、これはどういうことですか!」
ピンク色のグローブに包まれた手でカプセルの壁面をはたきながら、泉へ詰問する。
カプセルを投下しているため、ややくぐもった声だが、泉には聞こえているはずだった。
「どういうことも何も、観てのとおりですよ、さくらさん。もう、ショーは始まっているんです」
泉はステッキの先をさくらへ向け、言い放った。
「ふざけないでくださいッ!! ここから出して下さい!!」
激高するさくらを嘲笑いながら、泉は見下すような視線を囚われのボウケンピンクへ注ぐ。
「そんなに出たいなら、力づくで出ればいいじゃありませんか…なにしろ、貴方はボウケンピンクだ。その力でカプセルを叩き割ってしまえばいい。そうではありませんか?」
両手を広げる大袈裟な仕草で、挑発的な態度をさくらへ向ける。
相手の挑発に乗るのは癪だったが、無礼な振る舞いに対しては多少の荒っぽい対応は許されるだろう。
さくらはそう自分の中で納得を得ると、右手で拳を握り、力を込めた。
パラレルエンジンで増幅されたボウケンピンクの腕力は1トン近い破壊力を持つ。
「ハァッ!」
気合いと共に繰り出したパンチは、カプセルの壁面を軽く突き破り、破片がそこら中に散らばる―はずだった。

「おやおや…どうしたんです?」
おかしい。バイザーに表示されるスーツの状態は正常値を示していて、パラレルエンジンへの干渉は認められない。
しかし、現実にカプセルは傷一つついてはいなかった。
「ハァ! ハァッ!!」
間髪入れずに放った蹴りも、連打する拳も全てカプセルに阻まれ僅かにカプセルを揺らしただけに留まった。
「そんな…!」
信じられなかった。先程、岩の堅牢さを誇るカースの身体を土くれ同然に破壊したボウケンピンクの拳も、蹴りも全く通用しない。泉はマスクの奥のさくらの焦りを見透かしたように下卑た笑みを浮かべている。
「くっ…サバイバスター!」
腰のホルスターから標準装備のビームガンを抜き取り、両手で構えた。
プレシャス探索時の障害物の除去やネガティブへの攻撃を用途としたビームガンは厚さ30センチのコンクリートをも貫く威力を誇る。トリガーを引く指に力を込めると、閃光が迸る。次の瞬間、会場中にさくらの絶叫が響き渡った。
「あぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!」
一切の規則性なく、光の弾が行き場を失って次々と跳ね回る。ビームの跳弾はカプセル内を縦横無尽に光の軌跡を描いて飛び回った。さくらの悲鳴にも似た叫び声が響き渡り、自らが発射したビームにアクセルスーツが灼かれていく。
密閉されたカプセル内でビームのエネルギーは全く逃げ場がなく、その運動エネルギーを保ったまま何度も射手を刺し貫いてスーツの対消滅という形で漸く終息を見る。
「ッ…はぁ…はぁ……」
カプセルの中で変身が解けたさくらは膝をついて肩を大きく上下させながら荒い呼吸を繰り返している。
元のピンクのジャケットとスカートの姿に還元され、脚を投げ出してその場に崩れ落ちていた。
さくらの抵抗は悉く失敗に終わり、逆に自らを傷つける結果に終わった。
「それで終わりですか、さくらさん?」
泉が意地の悪い笑みを浮かべ、さくらへ尋ねる。
髭面の彼はカフェテラスで理想を語った紳士の仮面を脱ぎ捨て、さくらを見下ろしている。
「…どうやら、万策尽きた様ですね。皆さん、ご覧頂いたとおり我が社の新商品は非常に堅牢です。あのサージェスが誇るアクセルスーツでも全く歯が立たないほどに、ね」
百聞は一見にしかず。
それは泉の座右の銘だ。顧客へ端的にその効能を見せつけることは百の言葉を尽くすよりも雄弁と言える。

「さぁ、それでは今度はこちらの番です」

三度、泉がステッキの先端を天へ掲げた。
それを合図にするかの様にカプセル内部に霧状のガスが四方から勢いよくさくらへ噴霧されていく。
シュワシュワと音を立てて霧散するガスが透明なカプセル内を覆い尽くし、さくらの姿を白く塗り込めていく。
「なっ!…これは…」
無味無臭のガスに巻かれ、スーツ消滅の折の呼吸を引きずるさくらはあっという間の出来事に口を塞ぐこともできず、口や鼻から大量にそれを取り込んでしまう。
「この気体は…!」
体内へ侵入したガスは瞬く間にさくらの全身を循環し、侵していく。
必死にもがいて抵抗を試みるが、ボウケンピンクで亡くなったさくらに対抗する術は残されていなかった。
異変はすぐに身体に生じた。
「…か、身体が……か…勝手に……ッッ!!」
さくらの意思に反して、両脚が真っ直ぐに伸びて膝と膝を合せて直立する。脚だけではない。
背筋が強制的に伸ばされ、両手が腰の位置に落ちていく。指先までぴんと伸ばした状態で、全ての関節がぎちぎちと音を立てていた。まるで、見えない型に嵌められた様に直立の姿勢へさくらの身体を当てはめていく。

「ただ今カプセル内に蔓延しているガスはわが社が誇る極小機械群(ナノマシン)を噴霧したものです。対象の生体波動にチューニングされたナノマシンが細胞を一つずつコーティングし、任意の形状で加工します。体内外で同時にこの作業を行い、皮膚は勿論、内臓器官に至るまで全てを加工時の状態のまま保存します」
会場はしんと静まり返っている。淡々と説明を続ける泉の声だけが鮮烈に観客の耳を打った。
「これはコールドスリープ、つまり冷凍保存技術の発想を推し進めたもので、便宜上“圧縮冷凍”と我々は呼んでいます。生態圧縮の意ですが、後々はこれを改良し、加工対象のサイズ変更を可能にする予定です。また、圧縮冷凍中も対象の意識は保ったままですので、この状態のまま何百年、何千年も保存が可能です」
カプセルの中で何が行われているのか外からでは確認できず、観客たちは僅かに拡声機が拾うさくらの低くくぐもった喘ぎ声に想像を掻き立てられ、視線を釘付けにされていた。
(身体が…動きません……全身が樹脂の様なものに覆われて…だめです…まったく動けません…)
霧が晴れて、視界が開けてくる。
だが、透明な皮膜に覆われたさくらは身じろぎもせずその場にただ立ち尽くしていた。
口の中まで皮膜が覆っていて、舌を動かして声を上げることも叶わない。
指一本動かせないまま、その場にただ立っていることしかさくらには出来ない
やがて、カプセルがクレーンで持ち上げられ解放されてもさくらは一歩も動くことはできなかった。
「ご覧下さい…あの才媛、ボウケンピンクこと西堀さくらは今や、物言わぬ肉のオブジェと化したのです!」
泉が掌で、真顔で立ち尽くすさくらを示して、声の限りに叫んだ。
会場が再び堰を切った様に狂乱の渦に包まれる。全くの無抵抗で、まるで時間を止められた様なさくらの姿は格好の見世物だ。多少なりともサージェスに辛酸を舐めさせられてきた者たちは皆一様に泉へ惜しみない歓声と拍手を送っている。
「さくらさん、肉のオブジェになったご感想は?」
「…………―――」
泉が物言わぬさくらへ水を向けると、どっと笑いが起こった。
嘲笑と侮蔑に晒されても、さくらは微動だにしない。
「おやおや…どうやら、さくらさんは口も利けなくなってしまった様ですね…可哀想に」
再び会場が湧いた。
今や、さくらは泉に生殺与奪を握られた状態にある。
「さくらさんは老いることも、死ぬこともない永遠を手に入れたのです。貴方は若く美しいまま、未来永劫にその形を留めるのです」
泉がオーバーなリアクションで、会場を煽った。
会場の各部に設置された大型スクリーンに、まるで時間を止められたかの様に固まったさくらの映像が大写しになる。
直立不動の姿勢で、その表情は真顔のまま、視線は虚空を泳いでいる。
「………………………………」
さくらは全身を透明な皮膜に覆われており、照明の輝きを反射して光沢を放っていた。
生きたままマネキン人形にされたも同然の姿で、さくらはどうすることもできずにただその場に立ちつくしていた。
見ることもできるし、聞こえるのに、言葉を発することはおろか指一本動かせなかった。
脳が幾ら手足を動かそうと指令を送っても、厚さ1ミリにも満たない皮膜に完全に抑え込まれて動かすことは叶わなかった。泉が頬を撫でてくる。相手の掌の感触が伝わってくる。触覚も残っていたことがわかった。
「手も足も出ない、とはこのことですね。ゆくゆくはこの圧縮冷凍技術を刑罰として運用していくことも視野に入れており、対象となる生体の意識はそのままにしてあります。つまり、さくらさんは意識がはっきりとしたまま固まってしまった状態にあります」
愛おしそうにさくらの頬を撫でていた泉の手が顔から離れ、人差し指一本を立てる。
「当然、肉体の保護も兼ねていますから、さくらさんの全身をコーティングした皮膜は大変丈夫なものです。ですが、こうすると――」
そう言って、言葉の先を濁すとさくらの額に指先を強く押し付ける。
「ほぉら!」
脚に力が入らず、踏ん張りの利かないさくらの身体は背後に向かってそのままの姿勢で倒れ込んでしまう。
「――――――――!!」
重力に従い、自由落下していく身体をどうすることもできずにさくらは背中からまともに地面と衝突した。
ガラスの割れるような音が、会場に轟いた―――

固唾を呑んで見守る観客たちの目に飛び込んできたのは、意外な光景だった。
誰もがさくらの身体はガラスの様に砕け散ったと信じていたが、そうではなかった。
確かに床には倒れた衝撃で破片が散らばっていたが、それはどれもさくらが纏っていた衣服だった。
ジャケットの残骸と思しきピンクの破片が、ブーツの破片と混じって辺り一面に散らばっている。
「……………………―――」
その破片の中で、さくらは倒れる前と寸分違わぬ姿で寝転んでいた。まるで花びらの中にいる様だった。
ただし、衣服は何一つ身につけていない。生まれたままの姿だった。
「皆さん、ご安心ください。ご説明します。さくらさんを加工したナノマシンは生体波動にチューニングされており、それ以外の衣服やブーツには作用せず、結果として衝撃を受けて脆くなっていたそれらは粉々に砕け散ったというわけです」
泉の説明にあらためて会場が万雷の拍手を送った。さくらの身体には傷一つついてはいない。
スクリーンに胸や脚、顔など身体の各部位が大写しになる。
ライトの照明が網膜を強く照らし出して熱いくらいだが、さくらは瞼を閉じることもできなかった。
「―――――――――――」
はじめから、こうなることはサージェスとヴィレッジの間で取引が成立していたのだろう。
ヴィレッジ側はこれ以上ないデモンストレーションの機会を得て、サージェスは厄介物を体よく組織から追い出すことができた。Winwinの関係と言った泉の言葉が脳裏に蘇った。
あれはさくらとの間ではなくサージェスの、ミスターボイスとの間で成立し得る関係性のことであったのであろう。
だが、今更気付いても今のさくらにはどうすることもできなかった。


§

ヴィレッジ本社特設ミュージアムには、ホール中央に設けられた円筒台に一体の裸婦のマネキンが安置されている。
体表は光沢のある美しい質感をしており、きめ細かな肌と相まってそのスタイルの良さを際立たせていた。
鼻筋の通った端正な顔立ちは知性の輝きを湛え、白い肌と対照的な黒く長い髪は一糸の乱れなく綺麗に整えられ、気品を感じさせた。その表情は真っ直ぐに前を見据えられ、感情の発露は感じられない。
華奢な体型ながらも形の良い胸の膨らみはなだらかなラインを描いて女性特有の柔らかさを帯びている。
その先端を彩る薄茶色の乳首には一対の金色のピアスがしっかりと嵌めこまれていた。
両手は膝の位置に真っ直ぐに伸ばして揃えられ、直立不動の大勢を成している。太すぎず、細すぎない引き締まった太股の間、股間のデルタにはショッキングピンクの異物が深く埋められ、その一端を体外へ露出している。そのすぐ後ろにあるアヌスにも同様の異物が挿入されていた。
『元ボウケンピンク・西堀さくら肉オブジェ公開展示中』の立て看板が添えられ、彼女が生きたままその身を固められ、衆人環視の下に晒されているという現状が赤裸々に綴られていた。

あれから1週間。

ヴィレッジ主宰の公開ショーで圧縮冷凍されたさくらは、その後の経過観察と広報宣伝活動に従事するという名目の下、自らの意思とは関係なしにその裸体を惜しみなく披露させられていた。
(不思議です……もう、何日も寝ていないのに、まるで疲れるという感覚がありません…)
今のさくらには、空腹も喉の渇きもない。
自発的に動いたり、聞いたり喋ったりということは一切できないが、意識ははっきりとしていて、視覚も正常だった。
そして、もう一つ失われていない感覚があった。
(ん…ぁ……このピアス…痛みは殆どないのに…ン…微弱な電流が、流れて…変な…気分に……)
思考の中にとろ火で焙る様な性感が旨の先端からじんわりと身体全体へ広がっていく。
同時に股間の二穴を塞ぐ陰茎を模したディルドータイプのバイブが高周波指数での振動を与え、子宮を突きあげ肛門を圧迫してくる感覚にさくらは悶え狂っていた。
(こんな…姿にされているのに…わたし……なんだか、気持ちよくなって―――)
顔の表情は変わらない。固められた時のまま、真顔で前を見つめている。そこは全面ガラス張りで、自分の姿がよく見えた。裸のまま立ち尽くしている。どこも隠すことができず、物珍しさに訪れる人々が次々と携帯やスマートフォンのフラッシュを焚くのをただ見ていることしかできない。惨めでたまらないのに、自分ではどうすることもできなかった。生きているのに、死んだも同然だった。死ぬより酷い辱めを受けている。

「苦しいですか、西堀さん? でも大丈夫。すぐによくなりますよ。今はまだ、脳が身体の変化に追いついていないだけです。今にずっと肉オブジェでいたくなります」
―――そんな…ことは……あ、ぁ…あぁぁ……!!
「気持ちいいでしょう? 今のあなたは10秒に1回、絶頂している計算です。ずっとイキっぱなし。最高に気持ちいいはずですよ。さぁ…早く、肉オブジェであることを受け入れなさい」
―――…ッッッはやく…元に戻し……ン、ぅ…ンンッ!! また……くる…また…イ、イく…ッッッ!!!
「その内に脳が『気持ちいいこと』と『肉オブジェでいること』を繋げてネットワーク化してしまいます。そうなれば、貴方は無限ループでイキ続けることになるんですよ。前人未到の無尽蔵快楽スパイラル。二度と抜け出せません」

さくらが置かれた状況は深刻だった。
眠ることも、食事をすることさえも必要なくなった身体で性的快感だけが一方的に無限に続けられるのだ。人間が先天的に抱えている三大欲求のバランスが崩れ、性欲だけが特化して意識の中で異常に肥大化していく。身動きできない状態で与えられる快楽を塞き止める事はもちろん、抗うことの一切を封じられた状態で、さくらの脳は加速度的に変質していく。傍目からは微動だにしない肉像となったさくらの内面は快楽に支配されていった。

「これはちょっとした冒険なんですよ、さくらさん。一歩を歩むことのないまま、貴方は新たな世界へ旅立つことができるんです。素晴らしいでしょう? さぁ、早く素直になって下さいね――――――」

肉オブジェとなったさくらと意思疎通は基本的に図ることは叶わない。
だが、電磁ピアスが脳のシナプス信号を読み取り、さくらの思考を言語化することで受信装置となる携帯端末機から合成されたさくらの音声を聞くことができる。同時に、股間に挿入された高周波バイブの周波数を調整することで、こちらの言語を相手に波として送り込むこともできた。
泉はただ、待てばいい。
西堀さくらがこれまでの人生の何もかもを捨てて、肉オブジェに生まれ変わるその時を。



1か月後。とある音声ファイルが全宇宙のネット回線を駆け巡った。

















―――ッ…き…気持ちいい…気持ちいです! もう、乳首もあそこも気持ちよくて、たまりませんッッ!! ちょっとした冒険最高ですッ!! 一生このままでいたいです!! 肉オブジェとして、一生ここで立って気持ちよくなっていたいです!! ずっと、ずっとこのままがいいです!! 未来永劫、わたしを元に戻さないで…虐め抜いて下さいッ!!! わたし、西堀さくらは人間を辞めて、ずーーーーっと肉オブジェのまま生きていきます!!
もう、ボウケンジャーとか、サブチーフとかネガティブとか、プレシャスとか、西堀財閥とか、仲間とかどうでもいいです!! チーフはどうせ、振り向いてくれないし、わたしこのままずっと自家発電でイッてイッてイキ続けたいです!! ヴィレッジ最高です!! ミスターボイス、わたしに…こんな催行な最終永久就職先をせわしていただいて、ありがとうございますっっっっ!!!! 思えば、わたしの人生、縛られたくないとか言いながら財閥を飛び出して規律重視の自衛隊特殊部隊に入ってみたり、自分だけの宝さがしとか、支離滅裂でわけわかんないです!!! チーフに命令されるのが気持ち良かったし、最初から何かに縛り付けられ続けていたいマゾヒストな気質を先天的に抱えていたんだと思います!! 今、漸く自分の居場所が見つかった気がします。もう、二度と笑顔は作れないけれど、心の中ではずっとに焼けたまま過ごしてます!! 昼も夜も朝もなく、ずっとイキっぱなしの最高の人生です…これが未来永劫、絶えることなく続くそうです……もしかしたら全人類が滅んでも、わたしだけ気持ちいいままずっとイキまくってるかもしれません…とんだド変態ですが、仕方ないんです…もう、わたしの本性剥き出しにされちゃって、どう取り繕うことも出来そうにありません!!もう、わたしの席なんてどこにもなくて、でも気持ちいいことだけ続く最高で、最低で惨めな生き物…それが西堀さくらですっ!!!!
毎日毎日、ものすごい数の人がわたしを見て、笑ったり、写真撮ったりしててそれに難にも言えなくて、でもそれがだんだん気持ちよくなって来てるんです!! わたし…ド変態マゾヒストなんです!! 
ボウケンピンクになる時も、あんなぴったりスーツ着せられて、裸同然で、少しだけど、興奮してたんです。わたし、最初からマゾの因子持ってたんです……変身する時のバイオグラフもわたしだけ以上に興奮してて、その結果通知をチーフ見せなきゃいけなくて、それで興奮してた変態なんです!! チーフは何にも言わなかったけど、皆と比べてきっとわたしだけ興奮してたから、気付いてたはずなんです!! それなのに…何にも言ってくれないから、わたし……お父様も、お母様もチーフも誰も、真実(ほんとう)のわたしを見てくれないんです!! でも、やっと自分の居場所が見つかりました…というか、わたしは最初から人ですらなかったんです。今なら分かります、わたしの人生はすべてこの時、この瞬間のためにあったんだって……だって、だって気持ちいいんです!! 認めちゃったら、すっきりしました。心が晴れて、すがすがしい気持ちです。解放された…というのはきっとこの場合い、変なんでしょうけど…仕方ないんです…西堀さくらはド変態ですから!!!! 今までずっと女性であることに引け目を感じて男性の慰み者だけはごめんだと思ってたのに、裸を見られるのがこんなに気持ちいいなんて知りませんでした!! わたし、人生を損してました。これからじっくり取り戻したいと思います…手始めにイ、イキますっっっ!!!
あー、気持ちいい―――ずっと気持ちよくて、全身ヴァギナになったみたいです……それなのに、全然疲れなくて、眠くもならないなんて最高です!! 圧縮冷凍さまさまさまさまです!!!
泉浩さん、わたしを肉オブジェに選んでくれてどうもありがとうございます!!! 
あ…これ、全部外へだだ漏れなんですね…ネットで公開するんですか……きっと地球中の…いえ、全宇宙の人に見られて、軽蔑されて嗤われちゃいますね……目の前の動けないまま素っ裸ですました顔で気持ちよくなってるのがわたしなんですね……すごく……興奮しますッ!!! あ…またイクイキ続けて……こんな恥ずかしい宣言してるのに興奮して、もうどうしようもないです!!! だって気持ちよくて……ずっとこのままでいさせてください!!!!
 ずーーーーーーーーっと肉オブジェ。ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと気持ちいいまま肉オブジェしていたいですっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 


Fin
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非公開コメント

なるほど、

さくら姉さん自身がプレシャスになってしまった訳ですか…。
リアルではボウケンガールズの中で唯一、
「誰かのもの」になってしまっただけに
こんなお姿は御主人だけのプレシャスって感じでしょうね。

後のお二人はまだ誰のものでもないようですが
菜月もシズカもそれなりのお歳になりますし、
出来る事なら残りの二人もこんなプレシャスにしたい、
なんて思ってしまいました。

いいですね~!

好きな作品です。ボウケンの中ではさくら姉さんが好きだし、役者のS・Hさんも好きだから、想像して読むだけでアソコが起ってしまいました(笑)

ありがとうございます。

Re:

返信まとめております

>>コメントありがとうございます。

さくら姉さん自身がプレシャスになってしまうという、素晴らしい作品を頂きました!
確かにリアルでは、唯一「誰かのもの」になってしまいましたね。御主人だけのプレシャスとは、また面白い表現で良いです。

残るお二人もこんなプレシャスにしたいという邪なお気持ち……ご理解出来ます^^


>>ヒロイン大好き君さん
コメントありがとうございます

最初に読ませて頂いたとき、私も元気になりました。(何処とは申しませぬ…(笑))
このような読み手に疼きを与えられる作品を書かれる綺羅さんには、感服いたします。

No title

皆さま、思い思いのご感想を頂きありがとうございます。

>>「誰かのもの」になってしまっただけに
きついフレーズですねw
まぁ、お遊びで相手の名前をご主人にしてみましたが、この肉オブジェは所有したいですね。
さくら自身は意思きはあるが、身動きができず手も足も出ないというのがポイントです。

>>役者のS・Hさんも好きだから
わたしも同じです。基本、SSを書く時は自分が昂るものを…とは考えてやっています。

>>mengele様
ご掲載、ありがとうございます。
拙作をそこまで褒めて頂くと、なんだか申し訳ないですね。こちらとしてはもっと早く提供すべきだったのですが……


Re: No title

こんばんは、綺羅さん。返信が遅くなり、すみません。
拙作なんてとんでもなく、素晴らしき作品を寄贈していただけて嬉しいです。重ね重ね、感謝申し上げます。
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